店長がヤドカリの話題を中心に不定期に書くコーナーです。飼育に関する事
ヤドカリにまつわる“トリビア”な内容まで皆様のお役に立てれば幸いです。

今回のお題は、梅雨明け間近!!!「磯遊びで採ったヤドカリを飼いたい」です。
ちょっと長編です。

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店長コラムコーナー第2弾は「ヤドカリを飼いたい!」です。
そろそろ梅雨明けですね。皆様も夏には海水浴に行く事と思います。
特に御家族をお持ちの方は、磯遊び等をされると思います。その時に
かならず採れるのが「ヤドカリ」です。岩場の潮溜まり探せば
ヤドカリが、これでもかっと沢山と採れます。

ここで採ったヤドカリとひとしきり遊んだお子さんは必ずこう言うと思います。

「ねぇ、このヤドカリさん達をお家で飼いたいな」

ここで、お父さんは困ってしまいます。

「飼うったって、どうやって飼えばいいいんだ?」

そんなお父さんを、今回このコラムがお助けするでしょう。読んで
準備しておけばお父さんの株も上昇する事まちがいなしです。
ちなみに今回の飼育方法はできるだけ初期投資を少なく、かつ手軽に
長期的に飼育できる最低限のセットをコンセプトにご紹介しています。
ですから、サンゴや海水魚がこれで飼育できるという訳ではありません。
ちなみに、ヤドカリは大きくなりますので以下のセットですと
2〜3匹程度の飼育だと思ってください。
(それ以外は海に返してあげましょう)

                 !注意!
    以下の飼育方法は海水棲のヤドカリ用です。
    オカヤドカリは別の飼育方法になります。また、海水棲でも
    イソギンチャクをしょっているヤドカリの場合
    イソギンチャクを飼育することになりますので、この飼育条件では
    管理が難しいです。


<STEP 1.まず、家に持って帰る>
バケツか袋になるべく沖の海水を汲み、その中にヤドカリを入れて持って
帰ってください。車で来ている場合はクーラーをかける様にして水温上昇を
防ぐ様にしてください。途中レストランに入るときは、ヤドカリも一緒に
持って行ってください。車の中に置いたままにしないで下さい。

<STEP 2.緊急避難の3点セットを入手する>
まず、ヤドカリを取ってきた状態では、何も用意していないと思いますので
緊急措置として、とりあえず、バケツに汲んできた海水(くれぐれも、
ヤドカリだけを持ってこないでください。)とヤドカリだけを入れ
(砂や石は入れない)すぐ近くの大き目のスーパー(マルエツとか
イトーヨーカドー等)へ行き、エアーポンプとエアーストーンと金魚か
熱帯魚のえさ(底に沈むタイプ)を買って下さい。ポンプとエアーストーンを
使ってバケツの海水に空気を送り、えさを少量あげておいて下さい。
これで、数日は持ちます。ただし、これはあくまでも緊急措置です。
もともと、海辺の海水の水質はいいとは言えません。
日にちが経つと、水質がどんどん悪くなってきますので
早めに以下のものをそろえて下さい。

−用意するもの−
1.カブトムシ用のプラケース Lサイズ(家にある物で良い)
2.投げ込みフィルター(例)水作エイトSかM等
3.エアーポンプ:いわゆる「ブクブク」です。

1〜3の代替えとして、ホームセンター等で売っている
小型水槽セットでも結構です。

4.サンゴ砂:Sサイズ 約2kg(あまり細かいと洗うのが大変です。)
5.人工海水の元
 (後々人工海水は換えますので100L分位まとめて用意しておきましょう)
  ※通常料理で使う食塩(味塩、伯方の塩等)は使えません。
6.水道水のカルキ抜き
7.比重計
8.水温計
9.宿代え用の貝がら(砂浜で何種類かの大きさを探しておいて下さい)

まず、1のケースを水道水でよく洗ってください(洗剤は使わない事)
海岸で拾ってきた岩等を入れたい場合は、一度水道水でよく洗い
表面のコケや汚れを良く落とし、良く天日乾しをしたものを
必ず使用してください。(煮沸消毒すると完璧です。)
岩をそのまま水槽に入れると、岩についている細菌や微生物が死滅し
水槽の水質を急激に悪化させる原因になります。
ですから、海岸で採った砂も使用せず、必ず新品のサンゴ砂を使ってください。
ちなみに、よく熱帯魚屋で勧められる硝化細菌が入ったライブサンドや
ライブロック等は必要ありません。また、どうしても岩が欲しい場合は
飾りサンゴや飾り用の石を買ってください。(バクテリアの元も不要です。)

以上のものをそろえるのが面倒な方は当店でも
セット販売しています。(2〜8のセット販売)
サンゴ砂も必要最低限の量で小分けしている便利なセットです。
よろしければご利用下さい。(現在商品改良の為販売を停止しています。)


写真左上から
@サンゴ砂Sサイズ
 (約2kg)
A人工海水の元
 (100L分)
B比重計

C水温計

Dエアーポンプ

Eフィルター

Fエアーチューブ
 (約1m)




※上記の他に「一方コック」があると エアーの量を調節できて便利です

<STEP 3.水槽をセットする>

1.サンゴ砂を水道水で洗います。米を研ぐような要領で水が
  透明になるまで洗います。洗ったら良く水を切ります。
  ざるを使って洗うと便利ですよ。

2.人工海水を準備します。
  ※当店の人工海水の元は、すでにカルキ抜きの成分も入っていますので
   水道水に1リットルあたり約36gの割合で人工海水の元を
   水に溶かします。
  ※人工海水の元は、商品により溶かす量が違います。
   別の商品をご使用の場合は、必ず商品で指定された量を
   正確に計ってご使用ください。


  水に人工海水の元が完全に溶けて透明になったら、念のため
  比重計を使って比重をチェックします。1.023が目安です。
  厳密にいうと、25℃前後に人工海水の温度を調整して比重を計りますが
  10度前後の水を使っている(例えば井戸水とか)等でなければ
  まぁ、だいじょうぶです。・・・すみませんB型ですのでご容赦ください。


※測定する部分に「気泡」がつくと正確に測定できません

3.プラケースに洗ったサンゴ砂を2cm位敷きます。次にその上に
  エアーポンプと接続した投げ込みフィルターを設置します。
  そして2で作った人工海水を注いでいきます。
  バケツからいきなり注ぐと、サンゴ砂が舞い上がりますので、
  何か(小さいプラケース、皿等)で水を受けながら注ぐと良いでしょう。
  ついでに水温計も入れておきましょう。

4.エアーポンプの電源を入れ、1時間位そのままにしてください。

                !注意!
  コンセントの位置は必ず水槽より「高い位置」において下さい。
  塩水は電気を通しますのでコンセントが水槽より下にあると
  塩水がコードを伝ってコンセントに降りやすくなり
  漏電・火災の原因になり危険です。・・・B型の私も注意しています。


5.最後に比重と水温を計って問題がなければセット完了です。



※ちょっとぼけていますが、こんな感じです。

<STEP4.ヤドカリを水槽に入れる>
 いきなり水槽に入れずに、水槽の水質にヤドカリを“慣らすように”
 入れていきます。(「水あわせ」と呼びます。)
1.ヤドカリを海水ごとビニール袋に入れ、ビニール袋をセットした
  水槽にいれます。まずは、水温をあわせます。
  これで5分位待ってください。

※下の写真は小さなプラケースを使っています。洗濯バサミで固定すると便利です。


2.袋の海水が1/3位残るよう捨て、水槽の水を1/10位ずつ入れ、
  5分〜10分程待ちます。これを繰り返し、袋が人工海水でいっぱいに
  なるまで続けます。

3.袋の中のヤドカリをつまんで水槽の底に静かに置いてください。
  最初は貝殻からでてきませんが、やがて恐る恐るでてきますよ。

<STEP5.ヤドカリを飼う>
水槽の置き場所は、直射日光の当たらない年を通して暑すぎず寒すぎない
場所を選んで下さい。冬は部屋が寒くなりますので、ヒーターを
用意してください。
※執筆時点が夏前なので、用意するものにヒーターはいれておりませんが
水温計をみて、15℃以下になるようでしたら用意してください。

えさは、何でも食べます。さしあたり金魚のえさ!?でも十分です。
たまに焼きのり(味つきでは無く)を細長く切って先を砂に埋めてあげると
食べにきます。その他、魚の生の切り身、甘エビ、活アサリなんかも
少量入れてあげると喜んで食べます。ただ、量はヤドカリが
食べきれる分としてあまり多すぎないようにしてください。
また、調理された食べ物は入れないようにしてください。

宿代え用の貝殻は、良く水道水で洗って乾かして使ってください。
貝から腐敗臭がするものは、貝の中に死骸(特に内臓)が入っていますので
爪楊枝等でほじくるように中まできちんと良く洗ってください。
(洗剤は使用しないで下さい。)

<STEP6.日頃の手入れ>
プラケースで飼育する場合、水量が少ない為水分の蒸発による比重の
変化が激しくなります。水がどのくらい蒸発したかがわかる様に、
プラケースにあらかじめ印を付け、減った分の水をカルキ抜きして
補充してください。
カルキ抜きの水は、普通の水道水にカルキ抜きの薬剤を入れるか
浄水器がある場合は浄水器を通した水でも結構です。
水槽の人工海水は、週に1度位に全体の1/3程度の人工海水を
換えるようにしてください。水換えの頻度は「絶対に週一」という
訳ではありませんが、この程度で換水すると、水槽の透明度も
保たれて良いと思います。
それからたまに、比重計で比重を測定してください。

数ヶ月すると投げ込みフィルターの中が汚くなってきます。
ここには海水の汚れを分解する微生物が住んでいます。
洗うときは水槽の外に出してさらに水槽の海水を使って
軽くゆすぐ程度にしてください。水道水では洗わないで下さい。

また、海水の塩がケースの縁に溜まったりしますので、
こまめに拭くと良いでしょう。
ちなみに、水槽の砂を出して掃除する必要はほとんどありません。
砂の中にはやがて、ヤドカリの糞やえさの残りを分解してくれる微生物が
発生します。あまりこまめに砂を水道水などで掃除すると、
微生物を全部殺してしまう事になりかえって水質が安定しなくなります。
「砂はいじらず、巻き上げず」を原則として「ほったらかす」位が
丁度よいのです。・・・B型満開ですね。
どうしても、砂の中を掃除したい場合は、小さなプラケースに水槽の水を入れ
砂を水槽の中で掃除して、全部海水を換えるつもりで掃除してください。
(STEP3の途中からの作業をやる事になります。)



どうですか?意外と簡単ですね。飼うヤドカリのサイズは
小さめからスタートすると、脱皮を繰り返したり宿替えをしたりと
ヤドカリの生態が良く観察できるので面白いですよ。
一夏観察すれば、夏休みの自由研究の良いネタになりますよ。
是非お試しあれ。また当サイトでも飼育日記を連載する予定ですので
どうぞお楽しみに。